インデックス投資をしないで〇〇を買う

私がインデックス投資を行わず個別株を選ぶ理由

 株式投資を考える際、まず多くの人が検討するのはインデックス投資です。S&P500や日経225といった市場全体を追随するインデックスファンドは、長期的に安定したリターンを期待できる方法として広く支持されています。加えて、ドルコスト平均法を利用して長期にわたり投資を続けることで、相場の上下動に左右されず、安定的な運用が可能です。

 しかし、インデックス投資には欠点もあります。この記事では、インデックス投資の限界を指摘し、個別株への投資が高いリターンを期待できる理由について考えていきます。

インデックス投資の限界

 インデックス投資は市場平均に連動するため、言い換えれば「平均的なリターン」しか得られません。S&P500の長期リターンは年率6〜8%程度と言われていますが、このリターンは市場全体に分散されているため、大きなリターンを狙うことが難しい場合があります。特にドルコスト平均法を用いると、購入価格が分散されるメリットがある一方、急激な上昇相場においては、リターンが抑制されてしまう可能性もあります。

 インデックス投資の大きな欠点は「悪い意味でも分散される」ということです。要するに、平均より劣った企業が平均より優れた企業の足を引っ張るということです。

個別株投資の魅力

 個別株投資は、リスクが高い一方で、特定の企業の成長に投資することで、インデックス投資を上回るリターンを狙うことが可能です。例えば、日本の5大商社(三菱商事、三井物産、住友商事、伊藤忠商事、丸紅)は、長年にわたり分散されたビジネスを展開し、多様な収益源を持っています。さらに、米国株ではバークシャー・ハサウェイのように、事業の多様化と慎重な投資戦略を通じて、投資家に高いリターンを提供してきた企業もあります。

 これらの企業は、単一のセクターに依存せず、複数の産業で事業を展開しているため、自然とポートフォリオが分散され、インデックス投資に近い安定感を持ちながらも、高い成長性を期待できるのです

過去20年間のリターン比較

 次に、S&P500、日経225、日本の5大商社、バークシャー・ハサウェイの過去20年間のリターンを比較してみましょう。

投資対象過去20年間の平均リターン(年率)
S&P500約7%
日経225約4%
日本の5大商社平均約8〜10%
バークシャー・ハサウェイ約9〜11%

 このデータからも分かるように、日本の5大商社バークシャー・ハサウェイのような個別株は、インデックス投資を上回るリターンを実現してきました。これらの企業は、それぞれの市場やビジネス環境に強く適応し、投資家に安定した成長を提供してきました。

今後の展望と注意点

 もちろん、過去のリターンが未来を保証するわけではありません。株式市場は常に変化しており、これまで高いリターンを示してきた企業が今後も同じパフォーマンスを発揮する保証はありません。投資においては、過去の実績を参考にしつつも、今後の市場動向を慎重に見極め、自分自身でリスクを管理することが重要です。

 また、個別株投資にはインデックス投資にはない特有のリスクがあります。特定の企業や業界に依存するため、企業の業績や外部環境の変化によっては、想定外の損失を被る可能性もあるのです。このため、個別株に投資する際には、企業の財務状況や市場環境、成長戦略を十分に理解することが求められます。

最後に

 インデックス投資は、安定したリターンを提供し、多くの投資家にとって安心できる選択肢です。しかし、より高いリターンを求めるならば、個別株への投資が一つの有力な選択肢となります。特に、分散された事業を展開し、長期的に成長している企業を選ぶことで、リスクを抑えつつもインデックスを上回る成果を期待できるでしょう。

 ただし、過去のパフォーマンスが今後も続くとは限らないため、あくまで慎重な判断とリスク管理が必要です。投資は自己責任で行い、自分のリスク許容度に合わせた戦略を構築しましょう。

 ちなみに私は、5大商社株もバークシャハサウェイ株も持っていません。自分の能力を過信しすぎた結果、大きな損失を出しつつ、株価の急騰局面に乗れなかったという苦い経験からこの記事を書こうと思いました。

 ただ、長い視点で見れば、またいつかこれらの会社の株を購入できる絶好のチャンスが巡ってくると思います。それはバフェット亡き後になるかもしれませんが、私は尊敬する偉大なる投資家が作り上げた世界一のコングロマリットを信じて買いますし、子供の口座でも買う予定です。しかし、それは今ではないと思っています。

 

人が強欲な時は臆病に、人が臆病な時は恐る恐る

ただし、相場を出し抜けると思ってはいけない

バフェットが日本の5大商社に投資した理由とは?それに対する個人的な感想

 ウォーレン・バフェットは、世界的な投資家として知られ、その長期的なバリュー投資の手法で莫大な富を築き上げてきました。彼の投資判断は常に注目されており、最近では日本の5大商社(伊藤忠、三菱商事、三井物産、住友商事、丸紅)への投資が大きな話題となりました。この決定には多くの理由があり、またその背景にはバフェットらしい戦略が見え隠れしています。今回は、バフェットがなぜ日本の商社に注目したのか、そしてそれに対する個人的な見解をまとめてみました。

1. バフェットが5大商社に投資した理由

 まず、5大商社が持つビジネスモデルは非常に多様化されています。エネルギー、資源、化学、食品、さらには金融サービスまで幅広い分野に進出しており、そのグローバルなネットワークが強みです。これにより、一つの分野が不調でも他の分野で補うことができるため、安定した収益を生み出す基盤を持っています。

 さらに、バフェットが注目したポイントとしては、日本の商社は配当利回りが非常に高いことが挙げられます。商社は大きなキャッシュフローを持ち、それを株主に還元する姿勢が強い企業が多いです。バフェットの投資スタイルにおいて、安定したキャッシュフローと高い配当は魅力的な要素となるのは当然です。

 また、バフェットは日本市場を長期的な視点で評価しています。近年、欧米市場に比べ日本市場の株価は割安と見なされており、特に為替リスクを回避しつつ日本円建ての資産を保有することで、リスクを分散できる点も彼にとっては有利な判断材料となったのでしょう。

2. バフェットの投資戦略と日本商社のシナジー

 バフェットは常に「分散」と「安定」を重視してきましたが、日本の商社はその要件に見事に当てはまります。5大商社はいずれも多様な事業ポートフォリオを持ち、それぞれがエネルギー、素材、食料など異なる分野で強みを発揮しています。この分散された事業構造は、リスク管理の観点からもバフェットにとって魅力的だったはずです。

 また、商社の事業は長期的に見ても安定しており、資源価格の変動や世界経済の動向に柔軟に対応できる体制を持っています。これもまた、長期的なバリュー投資家であるバフェットにとっては理想的な特徴です。

3. 個人的な見解

 『5大商社は、それぞれが巨大なコングロマリットであり、日本版のバークシャハサウェイのようだ』と、バフェットは言っています。

 では、なぜバフェットは今まで投資してこなかったのに、今回投資を行ったのか?それは、今回の5大商社への投資は、歴史的な円安及び急激な資源高が大きな理由となっているからです。

 バフェットは長期投資家と言われますが、実際は7割以上を数年で売却しており、長期で握り続けている会社はほんのわずかであります。

 円安(バフェットにとってはドル高)が急激に進んだことで、大きな安全マージンを得ることができました。例えるなら、私たちが1ドル80円で米国株を買うようなものです。

 もし、1ドル80円の超円高になった場合、私はバークシャハサウェイに大きく投資するつもりです。なぜなら、バフェットが5大商社を日本版のバークシャハサウェイと言ったように、バークシャハサウェイは米国版の5大商社と言うことができるからです。それはバフェットが亡き後も変わらないでしょう。

 今回の大きなチャンスの際に、私は5大商社への投資を行うことができませんでした。これは本当に反省するべきことであり、とても後悔していることでもあります。ただ、今回の経験を踏まえて次に同じようなチャンスが到来した場合には資産の大部分を5大商社に投資しようと考えています。その時には、バークシャハサウェイにも大きな額を投資していると思います。

コロナショックの時に総合商社を買わなかった理由とその投資判断

結論

私の投資判断は間違っていました。永続的優位性のある会社を過小評価しており、その代わりに買った他の会社を超過大評価していました。

総合商社を選ばなかった理由

当時の私は「10年以内にテンバガーになる株」を探していました。そのためには、時価総額が低く、大きな問題を抱えているが、それは解決可能であり、その問題を乗り越えた後に大きく成長していく会社というのが私の投資基準でした。

当時全力で買い集めていたのは、スタジオアタオです。私の計算では業績が元に戻ればPER10倍計算で株価15倍、PER30倍で株価約50倍、PER100倍で株価100倍などと、超楽観的に考えていました。それに対して、総合商社。例えば、伊藤忠商事。なぜこの会社かというと、私は商社といえば伊藤忠商事しか知らなかったからです。というより、知らない人いるのか?というくらい当時の私でも知ってるくらいの知名度の高い会社です。その伊藤忠商事の当時の配当利回りは4%。当然経済が停滞していたため、ROEは低く、過去の株価を見ても、仮にコロナを乗り越えても株価はそこまで上がらないだろうと思っていました。おそらく、上がっても2~3倍程度だろうというのが私の判断でした。

ここで皆さんに質問です。

A社:時価総額は低いが、知名度もブランド価値がある。少し我慢して保有すれば手堅くテンバガーを期待できる。その後も伸び続けたら100倍も狙える会社。年利30%が期待リターン。

B社:時価総額が高く、誰もが知っている会社。大きく株価は上昇しないが、ほぼ確実に年利15%程度の株価上昇が見込める。

この2社に全財産を託すとしたらどちらを選びますか?ただし、この時点ではどの会社か分からないものとします。

私は、A社を選びました。単純に比較すると、当然リターンが大きい方を選ぶことと思います。皆さんもそうではないでしょうか?

では、A社とB社のどちらも期待リターンが15%/年だと仮定します。

A社:期待リターン15%/年

B社:期待リターン15%/年

この場合は、どちらを選びますか?

この場合でしたら、どちらでも良いと思います。

私自身、これならどちらでも良いと思います。

では、

スタジオアタオ:期待リターン15%/年

伊藤忠商事:期待リターン15%/年

この2社でしたら、どちらを選びますか?

この場合でしたら、私は絶対に伊藤忠商事を選びます。

これが、永続的優位性があるということです。

私は2~3流の会社に年利30%という過度な期待を抱き、超一流の会社が稼ぎ出す年利15%を選びませんでした。

この経験から、過度な期待は抱かずに確実に得られるリターンを算出して、同程度のリターンを得られる場合にどちらを選ぶかという検討方法をするべきだったと痛感しました。

永続的優位性のある会社に投資すること。そのこと自体が安全域を確保することになるのです。

結果としてはどうなったと思いますか?

スタジオアタオの株価は、コロナの脅威が過ぎ去った後も下がり続け、3年ほど握り続けた後に損切りして30%の損失を出しました。全資産の30%を私は失ったのです。

もし、伊藤忠商事に投資していたらどうなったか?

私がスタジオアタオではなく、伊藤忠商事に全財産を投資していた場合、資産は3倍ほどに膨れ上がっていたことでしょう。

そして恐ろしいことに、何も知らずに株をはじめ、コロナショックの時に伊藤忠商事の知名度だけで買っていた初心者は、年利20%という驚異的なリターンをたたき出しているのです。