コロナショックの時に総合商社を買わなかった理由とその投資判断

結論

私の投資判断は間違っていました。永続的優位性のある会社を過小評価しており、その代わりに買った他の会社を超過大評価していました。

総合商社を選ばなかった理由

当時の私は「10年以内にテンバガーになる株」を探していました。そのためには、時価総額が低く、大きな問題を抱えているが、それは解決可能であり、その問題を乗り越えた後に大きく成長していく会社というのが私の投資基準でした。

当時全力で買い集めていたのは、スタジオアタオです。私の計算では業績が元に戻ればPER10倍計算で株価15倍、PER30倍で株価約50倍、PER100倍で株価100倍などと、超楽観的に考えていました。それに対して、総合商社。例えば、伊藤忠商事。なぜこの会社かというと、私は商社といえば伊藤忠商事しか知らなかったからです。というより、知らない人いるのか?というくらい当時の私でも知ってるくらいの知名度の高い会社です。その伊藤忠商事の当時の配当利回りは4%。当然経済が停滞していたため、ROEは低く、過去の株価を見ても、仮にコロナを乗り越えても株価はそこまで上がらないだろうと思っていました。おそらく、上がっても2~3倍程度だろうというのが私の判断でした。

ここで皆さんに質問です。

A社:時価総額は低いが、知名度もブランド価値がある。少し我慢して保有すれば手堅くテンバガーを期待できる。その後も伸び続けたら100倍も狙える会社。年利30%が期待リターン。

B社:時価総額が高く、誰もが知っている会社。大きく株価は上昇しないが、ほぼ確実に年利15%程度の株価上昇が見込める。

この2社に全財産を託すとしたらどちらを選びますか?ただし、この時点ではどの会社か分からないものとします。

私は、A社を選びました。単純に比較すると、当然リターンが大きい方を選ぶことと思います。皆さんもそうではないでしょうか?

では、A社とB社のどちらも期待リターンが15%/年だと仮定します。

A社:期待リターン15%/年

B社:期待リターン15%/年

この場合は、どちらを選びますか?

この場合でしたら、どちらでも良いと思います。

私自身、これならどちらでも良いと思います。

では、

スタジオアタオ:期待リターン15%/年

伊藤忠商事:期待リターン15%/年

この2社でしたら、どちらを選びますか?

この場合でしたら、私は絶対に伊藤忠商事を選びます。

これが、永続的優位性があるということです。

私は2~3流の会社に年利30%という過度な期待を抱き、超一流の会社が稼ぎ出す年利15%を選びませんでした。

この経験から、過度な期待は抱かずに確実に得られるリターンを算出して、同程度のリターンを得られる場合にどちらを選ぶかという検討方法をするべきだったと痛感しました。

永続的優位性のある会社に投資すること。そのこと自体が安全域を確保することになるのです。

結果としてはどうなったと思いますか?

スタジオアタオの株価は、コロナの脅威が過ぎ去った後も下がり続け、3年ほど握り続けた後に損切りして30%の損失を出しました。全資産の30%を私は失ったのです。

もし、伊藤忠商事に投資していたらどうなったか?

私がスタジオアタオではなく、伊藤忠商事に全財産を投資していた場合、資産は3倍ほどに膨れ上がっていたことでしょう。

そして恐ろしいことに、何も知らずに株をはじめ、コロナショックの時に伊藤忠商事の知名度だけで買っていた初心者は、年利20%という驚異的なリターンをたたき出しているのです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です