バリュー投資とは?

バリュー投資とは

 バリュー投資は、株価が企業の本質的な価値に対して割安である時に投資を行い、将来的な株価上昇を期待する投資戦略です。この手法は、著名な投資家であるベンジャミン・グレアムやウォーレン・バフェットが実践したことでも知られています。基本的なアイデアは、「市場は短期的に誤った評価をすることがあるが、最終的には企業の本来の価値に価格が修正される」という考え方です。

バリュー投資の基礎

バリュー投資家は、企業の財務諸表収益性配当利回り、PER(株価収益率)などを分析し、市場価格が割安だと判断される企業に投資を行います。例えば、経営が堅実で利益を安定的に上げているが、何らかの理由で一時的に株価が低迷している企業に注目します。こうした割安な株に投資し、企業の成長や市場の回復を待つことで、長期的にリターンを狙うのがバリュー投資の基本です。

バリュー投資の欠点

バリュー投資は理論的には非常に有効な戦略とされていますが、実際の運用にはいくつかの課題やリスクがあります。

1. 割安な株が長期間割安のままである可能性

バリュー投資家が「割安」と判断した株は、企業のファンダメンタルズが健全であっても、長期間にわたり市場から適正評価を受けない可能性があります。これを「バリュー・トラップ」と呼びます。株価が低迷している理由が単なる市場の誤解ではなく、実際に業界全体の低迷や、企業の成長が見込めない状況である場合、株価はずっと低迷し続けることがあります。

2. 市場全体がバリュー株を見向きしない局面

特定の時期において、テクノロジー株や成長株への市場の注目が高まり、バリュー株への関心が薄れることがあります。例えば、近年のように成長株が市場をリードする局面では、割安株が市場の注目を集めにくく、思ったようなリターンを得られないことがあります。これにより、投資家が焦って売却してしまい、利益を取り逃すことも少なくありません。

3. 市場の効率性

現代の金融市場は情報が瞬時に共有されるため、市場が本質的に効率的であるという説(効率的市場仮説)もあります。この理論によれば、株価にはすでに全ての情報が織り込まれており、割安株を見つけるのは非常に難しいとされています。そのため、バリュー投資家が優れた企業を割安に購入すること自体が難しくなっていると指摘されています。

バリュー投資における正しい考え方

1. 長期視点を持つ

バリュー投資の本質は、長期的な視点で企業の価値が市場によって正当に評価されることを待つということです。短期的な株価変動に一喜一憂せず、企業のファンダメンタルズに基づいた判断を維持することが重要です。市場の一時的な動きに振り回されないためには、~5年という時間軸での投資を考えるべきです。ちなみに、バフェットは師であるグレアムの手法を守り、5年で上がらなかった株は全て売却し、株価が50%上がった場合利確をするという手法を使い年利20%という驚異的なリターンを出していました。

2. 分散投資を心がける

バリュー投資においても、リスク分散は重要です。いくら割安な株に投資しているといっても、特定の企業やセクターに集中投資すると、大きなリスクを抱えることになります。複数の企業や業種に分散して投資することで、特定のリスクを緩和し、全体として安定したリターンを狙うことができます。バフェットとグレアムがバリュー投資を行っていた時は100銘柄以上に分散させていました。

3. バリュー・トラップに注意する

割安株を見つけることがバリュー投資の基本ですが、単に株価が低いからといって購入するのは危険です。割安な理由が本質的な問題によるものである場合、それは将来にわたり業績が回復しない可能性が高いからです。企業の将来性や業界のトレンドを慎重に見極めることが重要です。

4. 感情に流されない

株式市場では、投資家心理が大きく影響します。バリュー投資家は、他の投資家が悲観的になり株価が低迷しているときに買い、反対に市場が過熱し楽観的になっているときに売ることが推奨されます。しかし、これを実践するためには、冷静な判断と感情をコントロールする力が求められます。短期的な市場の騒音に惑わされないことが、バリュー投資家にとって大切です。

まとめ

バリュー投資は、長期的に割安な企業に投資し、その企業が持つ本質的な価値が市場で評価されることで利益を得る戦略です。しかし、その実践にはいくつかの欠点も伴います。市場の注目が集まらず、長期的に割安のままになる「バリュー・トラップ」や、効率的市場仮説の影響により割安株を見つけること自体が難しいという課題が挙げられます。

それでも、長期的な視野を持ち、分散投資を行い、企業のファンダメンタルズに焦点を当てることで、バリュー投資は依然として有力な投資手法となり得ます。重要なのは、市場の短期的な動きに左右されず、冷静に投資判断を行い、リスク管理を徹底することです。

では、バリュー投資はどの値を見れば良いか?よくPBRで割安か割高かを判断すると言われます。しかし、それは個人的には間違っていると思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です