サンリオの悔しさを教訓に
1.なぜこの記事を書いたか(背景)
株式投資のいちばん苦い瞬間は、手放した後に株価が大きく上がること。僕にとってそれがサンリオでした。分割や業績加速を前に利確してしまい、その後の上昇を取り逃しました。この体験から「伸びる構造を持つ企業は、腰を据えて保有する」というルールを自分の中で明確化。そこで今回は、同じ“体験価値”を武器にするオリエンタルランド(4661)を、可能な限り長期で持ち続ける決意を書き残します。
2.サンリオでの学び ― 売ってしまった理由と反省
- 短期の値動きに心を揺らされた:含み益を守りたい心理が勝ち、ファンダの伸びしろより目前の利益を優先。
- 分割・IP展開の“複利”を軽視:IPの裾野拡大は売上だけでなく来店・単価・海外展開に波及する長い追い風だった。
- 時間を味方にできなかった:四半期のブレより、中期の打ち手(コラボや海外・デジタル)の積み上げを見るべきだった。
結論:テーマパーク/IP型は「体験の拡張=価格受容性の上昇=収益力の底上げ」になりやすく、短期の乱高下で降りると機会損失が大きい。
3.オリエンタルランドを長期で持つ理由
- 唯一無二の体験価値:東京ディズニーリゾートという圧倒的IP×運営力。新エリアや季節イベントが来園動機と客単価を継続的に押し上げる。
- 三本柱の収益モデル:①入園 ②物販 ③飲食 のバランス。入園が取れれば館内消費で付加価値を回収できる構造。
- 価格政策とDX:ダイナミックプライシングやアプリ連携で混雑平準化と満足度向上を両立。
- 大型投資の複利:新エリア・ホテル投資は中長期的に客単価×滞在時間を押し上げる“仕込み”。
- インバウンド回復:グローバルIPの強みが海外需要の取り込みに直結。
4.現在の保有状況と家族の方針
- 私:平均取得 3,230円で300株
- 妻:100株
- 子ども:100株
家族合計500株。現在は3人家族ですが、将来はあと2人子どもを迎えたいという夢がありますので子どもが生まれる度に100株贈与する予定です。株主優待パスポートは、単なる金銭的価値を超えて「家族の思い出を支える資産」。だからこそ、可能な限り長期保有を原則にします。
5.“売らない”ためのチェックリスト(四半期ごと)
- 来園者動向・客単価:一時的な天候要因より、トレンドを重視。
- 物販・飲食の構成比:新エリア・イベント後の定常化でも高水準を維持できているか。
- 満足度・回遊性(DX指標):アプリ・スタンバイ等で体験効率が改善しているか。
- 投資回収の進捗:減価償却・保守費を織り込んだうえで営業利益率が中期的に上向くか。
- 還元方針:配当の安定性、自己株式取得など資本政策のアップデート。
6.リスク認識(それでも保有する理由)
- 高バリュエーション:好材料の先回りでボラティリティは高い。→ 定期積立/押し目の段階買いで対応。
- 天候・マクロ・為替:短期要因で来園・物販が振れる。→ 四半期ではなく通期・中期の滑走路を見る。
- 投資負担:大型投資が続く局面。→ 体験価値の伸びと単価政策で回収できているかを点検。
サンリオで痛感したのは、“短期の波にビビって降りると、構造的な成長の複利を逃す”ということ。だからこそOLCはファンダの骨格が崩れない限り、可能な限り保有を継続します。
7.まとめ ― 時間を味方にする
- サンリオの失敗から、体験価値×IPの複利は時間で効くと学んだ。
- オリエンタルランドは唯一無二の体験と投資継続で中長期の成長が見込める。
- 家族合計500株を可能な限り長期保有。チェックリストで仮説検証しつつ、売らないための仕組みを持つ。
短期の上下ではなく、家族の思い出を生む資産として、そして投資家としての成長のために――OLCは“時間を味方にする銘柄”として持ち続けます。
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