robot home(1435)―IoT×不動産管理で再起を図る企業
今回は、IoT技術を活用した不動産管理事業を展開するrobot home(証券コード:1435)について解説します。不動産管理業界の中でも、IoTとサブスク型収益モデルを武器に、安定成長を目指す同社。その過去には大きな不祥事もありましたが、経営刷新を経て再び成長軌道に乗りつつあります。
1. 企業概要
robot homeは、賃貸物件オーナー向けにIoTを活用した遠隔管理サービスを提供しています。自社開発の「Roomコントローラー」などのIoT機器で室内設備や入退去状況を遠隔で把握でき、オーナーの管理負担を軽減。
事業は以下の2本柱です。
- IoT機器販売・設置:賃貸住宅のスマート化
- 不動産管理・運営サポート:賃貸経営の代行、サブスク型管理料
2. 過去の不祥事と社名変更
同社はもともと「TATERU」という社名で、アパート経営サポート事業を展開していました。しかし2018年、オーナー融資の審査資料を改ざんする不適切行為が発覚。金融庁から業務改善命令を受け、新規契約は停止。株価は約2,000円から200円台へと急落しました。
この事件を受けて経営陣は刷新され、2020年に社名を「robot home」に変更。事業モデルも不動産販売中心から、IoT×賃貸管理のストック型ビジネスへ大きく舵を切りました。
3. 現状の業績
2024年12月期の売上高は約80億円、営業利益は約12億円で安定黒字を確保。営業利益率は15%前後と高水準です。自己資本比率は70%以上でほぼ無借金経営。財務健全性は非常に高く、倒産リスクは低いといえます。
収益の多くは管理契約によるサブスク型のストック収入で構成されており、市況変動の影響を受けにくい点が特徴です。
4. 将来性と成長ドライバー
- 賃貸住宅のIoT化需要:人手不足や入居者利便性向上の流れで普及が進む
- ストック収益比率の拡大:安定したキャッシュフローを生む
- 新規サービスの追加:見守り機能や防犯連動など付加価値向上
同社が目指すのは、「不動産管理のプラットフォーム化」。IoT機器を入口に、管理・集客・契約・更新まで一括で提供することで、オーナーの離脱を防ぎつつ契約件数を増やしていく戦略です。
5. 投資判断
現状の株価は200〜250円台、時価総額は約100億円。PERは10倍以下と割安水準ですが、これは過去の不祥事による信頼回復が道半ばであることが背景にあります。
中長期で見れば、安定黒字・高財務健全性・IoT市場の拡大という追い風がそろっており、再評価の可能性は十分。特に、配当再開や大型契約獲得などがあれば、株価が2倍程度に動く局面も考えられます。
まとめ
robot homeは、不祥事からの復活を目指すIoT不動産管理企業です。
高い財務健全性とストック収益型ビジネスは魅力的であり、信頼回復と成長戦略が実を結べば、株価の大幅上昇も視野に入ります。
リスクは過去のイメージと成長速度ですが、長期的に「守りながら増やす」投資先として検討する価値はあるでしょう。
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